リペアできないもの

この中にはリペアできるものもありますが、私の基準では時間がかかる、または高い機械や高い技術が必要で、作業の割に利益が見合わないものを今回は「リペアできないもの」として紹介させていただきます。（もちろん、リペアを極めてできることを増やしていくことで、利益をしっかり取れる場合もあります）

商品の型崩れ

型崩れを元に戻すことはできません。一部の柔らかいレザーなどであれば、熱を加えてある程度型崩れを戻すことはできますが、手間がかかる上に難しく、そこまで綺麗になりません。

革製品の大きな破れ

大きな破れは直すことができません。

下地まで削れた金メッキ

下地の残った金メッキであれば、綺麗にすることができますが、下地まで削れていると、直すことはできません。

ホックの緩み（ホックピンがない場合）

ホックの取り替えが必要。業者に頼んで取り替えてもらうか、専用の機械を使って交換することが可能です。業者に頼んだ場合は、時間がかかる上に社外品になるので、商品の価値が下がってしまい、販売価格も下がります。

黒カビ、重度のカビ

ひどいカビは、商品に深く入り込んでいるので、取り除くことができません。表面上だけなんとか取り除けたとしても、カビの臭いが消えないことがありますので、仕入れはおすすめしません。軽度のカビであれば、綺麗にとることができます。

ルイヴィトンの反り

モノグラムやダミエの場合、外側柄の面が合皮素材（PVC）で内側に本革が使われています。乾燥がひどくなると、外側の合皮が伸縮して内側の皮とずれてきます。そして、その結果フラップ部分やカード入れに反りが出ることがあります。

中にティッシュをはさみ、輪ゴムなどでとめて長時間おいておくと、少しはマシになりますが、またすぐ戻ってしまいます。許容範囲の反りであれば、安く仕入れて他の部分を綺麗にして販売し、利益を出すことが可能です。

トアル地の欠けやひび割れ

モノグラムやダミエに使われている外側の合皮（PVC）のことをトアル地といいます。長年、折り曲げたりを繰り返しているうちに、経年劣化してしまうと欠けたりヒビが入ってしまいます。厳密には欠けに関しては、UV転写など専用の道具を使用すれば綺麗には見せられますが、ひび割れはなおすことができません。

トアル地（PVC）の黒ずみ

ルイヴィトンのトアル地によくある黒ずみは、経年劣化でおこるもので取ることはできません。角の黒ずみなどは、写真で確認し辛いこともあるので、しっかりと確認してから仕入れましょう。

エピ模様の復元

エピの模様は２色になっているので、しっかり補色すると逆に目立ってしまいます。業者に頼んでも、ほとんどのところは１色の塗りつぶしになるくらいエピの２色塗りは難しいです。使っていくうちに経年劣化で、色が薄れてしまうのですが、補色しないでそのまま販売したほうが高く売れる場合があります。

エナメルの欠け

エナメルの欠けた部分を補色して目立たなくすることはできますが、欠けを修復することはできません。

エナメルの汚れ

表面の汚れであれば取れますが、染みになっている汚れは取ることができません。

ファスナープル、スライダーの破損

スライダーが破損している場合、なかなか自分で直すことは難しいので、専用業者での修理が必要となります。ファスナープルの場合、社外品であれば交換することが可能です。ただ、社外品にすることにより、商品の価値が下がってしまうので、販売価格も下がります。安く仕入れて他の部分を綺麗にして販売し、利益を出すことはできます。